![太平山 野田口ルート](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/none/path/sae55245365a0eef9/image/i91fcce11d23e0cbb/version/1706326100/%E5%A4%AA%E5%B9%B3%E5%B1%B1-%E9%87%8E%E7%94%B0%E5%8F%A3%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%88.png)
たいへいざん のだぐち
秋田市大平山山谷野田
最終更新:2024/07/08
◆登山ルート
◆登山口 山谷
◆登山道 表参道鳥居
●真澄図絵
中平(なかたい)というところに鳥居がある。
『ざく沢』という山の中に大きな桂の木があり、枝にモギの木の枝を大量に打ちかけてある。
『鍵懸(カンカケ)』といって、山の神に祈念する習俗である。
《月のおろちね》
◆太平川に沿って進む
●真澄図絵
女楯平というところを過ぎて、幾つもの沢を川を渡ると、仙人権現という神が祀られていた。
[日記の記録は前後するが]
山谷から女人堂までの参道は新城黒川村の鉄玄法師が地元の青年・新兵衛に指示して木を伐り、岩を割って山道を作らせた。
《月のおろちね》
◆ウシバミ沢と不動の滝
●真澄図絵
高い岩から南に向けて不動の滝というのが落ちていた。
「ああ、おもしろい眺めだ」
とみなふり仰いだり、見下ろしたりしていた。地元の昔話が伝わる沢が多く、その中の艮(うしとら、北東)に牛喰沢(ウシバミ沢)があった。
《月のおろちね》
◆女人堂
このあたりの路は険しく、危なげに辿って女人堂というところに来た。
女人堂を作ったのは鉄玄法師で、女人禁制のこの山では女性たちはこの堂で引き返した。
今は荒れ果てて2尺3寸の小さな堂ばかりが並んでいる。
《月のおろちね》
◆剣ヶ峰(剣岳、標高1047m)
●真澄図絵
◆剣岳山頂 ルート合流地点
◆宝蔵ヶ岳
◆鎖場
弟子帰りの前後に3尋(約5.4m)ばかりの鎖が下がっており、鎖の音が鈴の音のように谷にもの寂しく響いていた。
路の左右から2本の木の枝が刺し覆っている。これを『神の鳥居木』と呼んでいる。
『たっちら(ダケカンバ)』という木を使っているというが、この地方の方言だろうか。
《月のおろちね》
◆弟子還り
●真澄図絵
いつのころか、この山に師がこもって修行していたのを弟子が訪ねてきたが、この坂が険しくて登ること出来ずに帰っていった、という故事から名付けられた峰。
《月のおろちね》
◆大峰(山頂)
かろうじて大峰に辿り着いた。堂があるので幣を捧げた。
隣に籠舎(こもりや)があったが別当の僧が断食の斎(ものいみ)を行なっていたので止むを得ずこの堂に入った。
持参した水や食物を食べて手を洗い火を灯し、拝んだ。
《月のおろちね》
◆大平山データ
- 山域:出羽山地
- 標高:1,170m
- 祭祀:大平山三吉神社
- 宿泊:可
- 開山:7月17日
- 別名:薬師の峰、金峰山、三本ヶ岳、大蛇岳、おろちね、おいだらetc
というわけで山頂まで所要時間約5時間。
山慣れしてる人ならばもっと早いでしょうが…。
旭又ルートと合流した後も山道は非常に狭く、滑落の危険も大いにあります。
こんな感じで道中は決して初心者向けではありません。
チャレンジしたい方は登山届を提出の上、充分な装備と同伴者の付随を強くオススメします!
晴れていれば景色も素晴らしかったでしょうけどね…。
でも今回は大きな事故もなく無事に登頂できました。
では次回、太平山山頂。
- 太平山三吉神社 総本宮(木曽石)
- 勝手明神
- 嵯峨勝珍旧宅跡
◆参考文献
- 菅江真澄遊覧記第5巻/菅江真澄 内田武志・宮本常一訳
- 国立国会図書館デジタルコレクション
- 大平山三吉神社HP
- 各種説明板
- 取材協力・冨澤克次
取材日:2018/08/11
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