小沼山観音


こぬまやまかんのん

大仙市豊岡字小沼山

 

最終更新:2024/1/22

冒頭のひとこと


🖌菅江真澄の道
  • 来訪:文政11年(1828)
  • 年齢:75歳
  • 書名:月の出羽路 仙北郡 廿三巻
  • 形式:地誌、図絵

真澄記:

 『藻臥束鮒 小沼村』に小沼神社の由緒、十一面観音について記す。

また神社の鳥居から本殿にかけての俯瞰図を3枚に分けて描いた。

フナは神の使い
 小沼山の山頂に社殿を構える
昔は神社前の沼に中島があり、それに6尺(1.8m)幅の反橋が架けられ、ここを渡ってお詣りしたと伝わる。
この沼にはフナが多く棲み、このフナを獲って食べるとたちまちに祟りがあると記録する。副祭には沼にフナを放流する。

 また平安時代の十一面観音菩薩立像』と『聖観音菩薩立像』の二体が安置される。真澄翁はこの二体の菩薩像について項を割いて詳細を書く。
《月の出羽路 仙北郡》

◆子沼山観音 由緒

  • 草創:養老2年(718)
  • 御祭神:
    • 伊邪那岐命(いざなぎのみこと)
    • 伊邪那美命(いざなみのみこと)
    • 大山祇之命(おおやまずみのみこと)
    • 久々理比女命(くくりひめのみこと)
  • 例祭:8月20日
  • 別名:小沼神社
標柱
📍 標柱データ

前:菅江真澄の道 小沼山観音

横:文政十一年(一八二八)

小沼山を記録 月の出羽路仙北郡

後:平成三年十一月

中仙町菅江真澄研究会

 参道入り口に建立。他に説明板あり。


見出し
⊞ 旧祭事・獅子舞

 神社に獅子頭があって昔は集落で獅子舞をされていたが、
他集落の獅子舞が小沼にはいるのは獅子が喧嘩するので禁忌とされた。
それは獅子舞関係の縁起物も含まれる。
 現在は舞も失伝しているが、ご開帳時に拝覧できるという。
(地元の方談)


◆十六沢城址

 10世紀頃に豪族・宮藤六兵ェによって築かれ、後に角館の有力豪族・白岩氏の支配下に置かれた城址。

現在は緑地公園として整備され、炊事場などもある。

⊞ 真澄記:《月の出羽路 仙北郡》

 天喜5年(1057)、小沼等8ヶ村を支配した左近将監有信の家臣、宮藤六兵衛尉藤原正種が城主となった。

◆鳥越の滝

 小沼神社から約1KMほど南に位置する小滝。

⊞ 真澄記:《月の出羽路 仙北郡》

 真澄翁の記録では、小沼神社の水元はこの鳥越の澤から引く、と記録。

●諏訪神社

 小沼神社近辺に位置する。

一時期小沼神社と合祀されて豊岳神社に改名していたという。明治以降戦前の時期か。

(ゆーふぉ様より談)


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◆アクセス

  • 駐車場:なし
  • 案内板:なし
  • トイレ:なし
  • 備考:わりとガチ登山になるので参詣の際はそのおつもりで。

関連リンク


◆参考文献

国立国会図書館デジタルコレクション

・真澄紀行/菅江真澄資料センター
・各種説明板
・取材協力・ゆーふぉ様
(十六沢城址、諏訪神社、獅子舞談)

取材日:2016/10/27

2022/09/19