かみごうのさえのかみとこしょうがつぎょうじ
にかほ市象潟町横岡
最終更新:2024/12/06
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- 山域:
- 標高:
- 祭祀:
- 宿泊:
- 別名:
◆祭事データ
- 祭日:1月11〜15日
- 形態:ドント焼き、鳥追い歌
- 巡行:上郷4集落、大森
- 人員:集落内の児童
- 奉納社:サエの神
横岡地区は鳥海山の西麓を流れる奈曽川が台地に流れ込む部分にできた扇状地に形成された村落で、海抜220m2余りの高地に位置する。
小正月行事はサエの神行事とも呼び、地元の子供たちによって行われる。
火災・疾病などの災害を焼き払い、健康と豊作を祈願する行事。
4集落それぞれに『サエの神』という男根を象った道祖神を祀っており、
行事当日はその場所を周回・巡行する。
※注釈
あああ
- 11日:4箇所に藁でサエの神の小屋を建てる。
- 12〜14日:子供衆が小屋に籠る。
- 15日:小屋焼き、鳥追い(一番鳥・二番鳥・三番鳥)
また、大森地区では初嫁を棒でつつく『嫁つつき』も同時に行われる。
編集中
11日にサエの神の前に建てられた藁の鳥小屋を15日の午前8時に火をつける。
なるたけ最後まで火がくすぶっているのが良しとされ、前日に雪を詰めたり、土を盛ったり工夫したという。
その火種で餅を焼く。
鳥小屋は昔は子供は入るスペースがあった。中にサエの神を入れる。
入口に藁の幣を飾る。男の子の数だけ藁を束ね、ドント焼の時に共に燃やす。
昔は当主が火をつけてからそれぞれのドント焼きを始めた。
編集中
- 一番鳥:午後、どんと焼きの跡の周囲を3周する。
- 二番鳥:日が暮れてから巡行する。各家にてお菓子をもらう。もちもらい。
- 三番鳥:翌日早朝に行う。
編集中
子供たちが鳥追いの時に歌う唄。
毎年、行事前に公民館に集められて練習を行う。
鳥追いの唄は小正月行事を過ぎるとと禁忌となる。
⊞ サエの神の唄
サエの神のマーラーは、一尺八寸長ったー
きーぎゃーきりきりきんのんだ、
中ーべんごす山形、
山形のがーぎゃーだ、
ハーネーの木をきったぎて、
テーデーマーラーやぎゃーして、
一文銭であめかって、 二文銭でマラかって、
くーつけ、くーつけ、くーつけーだーば、
そごのあばよろこんだ。 ブホー ブホー
⊞ もちもらいの唄
アーマーハーゲのボンボラボン
てんきゃとの、にき にき
もちくれー もちくれー
⊞ はつよめの家の唄
初嫁ではれ 初嫁ではれ
つつくはいまだ つつくはいまだ
⊞ 鳥追いの唄
朝鳥ホイホイ、夜鳥ホイホイ
これはどごの鳥追いだー、長者殿の鳥追だ一
一にぎ鳥は、 四十がらにぐす、
頭はって、塩つけて、塩俵さぶちこんで
佐渡島さ、ぼてやーれ ほてやーれ
佐渡島つけたならば、おに(おにゃ)島き、
ぼてやーれ ぼてやーれ
◆ゴンギョウ
各家庭にて、ヤナギ、ユズリ葉、『蘇民将来』と書かれたタラの木札で組み立てられた門柳立てを家の前に立てる。
簡易的にユズリ葉のみを飾る家がほとんど。 農家は農耕具など米に関するものに餅を供える。
⊞ 蘇民将来とは
民間信仰の説話の主人公の名前。
兄弟の家に神が来訪した時、弟・巨旦将来は拒否したが、兄・蘇民将来は快く迎え入れたので兄の家は栄えたが、弟の家は滅んだという話。
『秋田風俗問状答』には、
平田篤胤の記述に見られ、
仙北地域では『蘇民将来子孫門戸』と書いた紙を修験者が配り家の前に貼っておく慣行がある、
と記している。
◆上郷のサエの神
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- 山域:
- 標高:
- 祭祀:
- 宿泊:
- 別名:
◆道祖神データ
- 形態:男根
- 個体数:各4集落に複数
- 祭事:1月11〜15日
上郷集落の端に立つ男根を象った道祖神。石、木製の像が数多く集中している。
集落内に4ヶ所あり、小正月行事に新たな道祖神が奉納される。
小正月行事では像の前に鳥小屋が建てられ最終日にドント焼が行われる。
集落の外れの田の真ん中に本尊の石神が祀られている。
本尊は別にある(斎藤氏が氏神)。
- 駐車場:なし
- 案内板:なし
- トイレ:上郷集会所
- 赤石のアマハゲ
- 石名坂のアマノハギ
◆参考文献
- 聞き書き・佐藤輝一様
- 秋田の祭り・行事/秋田県教育委員会編
- 秋田風俗問状答/金森正也/無明舎出版
- 各種説明板
取材日:2019/9/13
2020/1/15
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