
【なまはげ】
【来訪神】

来訪神。
秋田を代表する祭事の一つ。
主に秋田県沿岸・男鹿地方に伝わる大晦日に行う伝統的な民俗・年中行事。
鬼のような面を被り、藁で編んだケデ(防寒着)を纏い複数で雄叫びを上げながら家々を回る。
判明してるだけでも200年以上の歴史があるとされ、近年では神事のみならず観光産業のデモンストレーションにも駆り出されるなどして秋田県を象徴するアイコンとしても機能している。
派生として『なまはげ太鼓』『なまはげ音頭』などがある。
なまはげとは神事によって一時的に神通力を得た神の使いである。
基本的には大晦日の夕方、作法は地区によって異なるが、神官のお祓いとお神酒を受け、面とケデを纏う。

12月31日の年の瀬、夕方に村の若衆たちが集会所や神社に集まり来訪神を宿す神事を行い、面とケデを纏う。
なまはげは複数で一組になり、家々に上がり子供たちを追いかけ暴れ回る。
突然の唸り声、ガタガタと家が揺れる。泣き叫び逃げる子ども達をなまはげが追い回す。年端もいかぬ子供にとってどれほどの恐怖だろう。

ひとしきり暴れ回ったら家主がお膳を並べて労をねぎらう。

膳の中身は煮豆や尾頭付きなど。家々で酒を振る舞われるので、なまはげは酒豪の者でなくては務まらない。
乱暴とも思える一連の行動は脅したり荒らしたりするためではなく、子供の成長や村の末永い繁栄への願いが込められており、ある種の『戒め』とも見て取れる。
怒号は幼心に深く刻まれ、健やかな成長の糧となる。

巡行を終えると神社へ戻り着ていたケデを神木や狛犬に巻き付けて奉納する。
このケデから落ちた藁は拾うとご利益がある。
村を徒歩で移動となるが、地域や風習によっては遠方だと軽トラに乗ったりする。
ちなみになまはげは1匹、2匹と数える。
●なまはげ台帳
なまはげが持参しているファイル。 これにはする子どもたち全てのイタズラや悪行がブラックリストとして記されている。
なまはげには全部お見通しなのである。

【なまはげ習俗② 先立ちとカマス担ぎ】
男鹿市
「先立ち」は先導役。
なまはげが宅に乱入する前に予め訪問し、家主に入っていいか確認する。了解を得ると入口からなまはげが荒げて飛び出す。
「カマス(叺)担ぎ」はなまはげが去った後に家主から頂いたお心付けを袋に入れ持ち歩く役。

【なまはげ習俗④ なまはげ膳】
男鹿市
ひとしきり暴れ回ったら家主がお膳を並べて労をねぎらう。膳の中身は煮豆や尾頭付きなど。家々で酒を振る舞われるのでなまはげは酒豪の者でなくては務まらない。
巡行を終えると神社へ戻り着ていたケデを神木や狛犬に巻き付けて奉納。また来年。

あああ

ああああ
正月十五日の夜深く、若い男衆が集まり鬼の仮面や空吹の面をかぶり
あたたたたたたた
《菅江真澄著・男鹿の寒風》

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- 宮沢のナマハゲ
- なまはげ柴灯まつり
なまはげ館
男鹿市北浦真山水喰沢

- 開閉時間:8:30~17:00
- 年中無休
- 入館料:550円
(冬季、真山伝承館との共通券など条件により可変)

道の駅おが なまはげの里 オガーレ
男鹿市船川港船川新浜町1-19

- 営業時間 9:00~17:00(冬期間 営業時間 9:00~16:30)
※なまはげ柴灯まつり開催中は時間延長
- オガーレ物産館、レストラン、おがジェラートetc

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◆参考書籍
- 菅江真澄全集第 巻/
- 菅江真澄遊覧記第 巻/菅江真澄 内田武志・宮本常一訳
- 国立国会図書館デジタルコレクション
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- 秋田叢書 巻
- 真澄紀行/菅江真澄資料センター
- 各種標柱・説明板
最終更新:2025/05/29
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